#12 "助っ人"ではなく一緒に戦う仲間として。マット・カラシティー
昨日は阪神戦のチケットを取っていながら、仕事が押しに押してしまい、結局中野のラーメン居酒屋「燕屋」でビールを片手にテレビ観戦をしていました。
新メニューのカレーに舌鼓を打ちながら勝利を喜んでいると、お立ち台には先発のカラシティーが上がります。ホームランの事を聞かれて大きなエクボを作ってはにかむその表情を見て、「バーネットの逆だなぁ」と、2015年に絶対的守護神として東京ヤクルトを優勝に導いてくれた、トニー・バーネットのことを思い出しました。
バーネットは先発ローテーションを期待されて入団するも結果が出ず、一度自由契約になっています。
見切らなかったファミリー球団
カラシティーが抑えとしてマウンドに上がるたびに危なっかしい投球を続け、中継ぎ降格から、さらには二軍落ちとなった時「あぁ、これはシーズン途中でサヨナラになるパターンかな。」と僕は思っていました。
でも球団も、そして何より本人が諦めていなかった。
伝え聞いた話によると、戸田に来たカラシティーに小野寺二軍投手コーチが「絶対に必要とされる時が来るから」と声をかけ、それをカラシティーは直立不動で真面目に聞いていたそうです。
約1ヶ月の二軍生活経て、神宮に戻ってきたカラシティが大きなチャンスを掴んだのが6月9日の対オリックスバファローズ戦。
ロングリリーフを任されたカラシティーは、解説の若松さんが「なんか、賭けてますねぇ…」と言った通り、背中を泥だらけにしながら一人ひとりのバッターに必死に向かっていきました。
掴め!Japanese Dream
その後先発にまわったカラシティー。6勝をあげてはいるものの、まだまだ安定したローテーションピッチャーとは言えない成績です。
でも僕は、できれば複数年契約をしてほしいと思っています。
ブキャナンパイセン!
成功している先輩の後を追い、アドバイスをしっかり聞き、先発になってからは打撃練習も欠かさず、何より「自分が成長したい」と言ってくれる外国人選手がどれほどいるでしょうか。
カラシティーもブキャナンも、3Aで燻っていたところを声をかけ、それを意気に感じているのか、とにかく必死にやってくれている選手です。
環境が変わって上手くいかない時に、周りのせいにせず、腐らず頑張る。
わかっていても簡単にできることじゃないですよ(書いていて反省するばかり)。
この27歳の若者を大きく羽ばたかせることは、東京ヤクルトにとっても大きな財産になる…そんな気さえするのです。
前述のバーネットや讀賣にいたマイコラスなど、日本で実績を残した選手が逆輸入されメジャーリーガーとして活躍しています。それはJapanese Dreamを掴んだ後にAmerican Dreamを手にしたということです。
バリバリのメジャーリーガーが文字通り"助っ人"としてやってくるのが当たり前だった時代を知っているおじさんとしては「時代は変わったな…」としみじみ思うのです。
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